SIBOがヒスタミン不耐症に繋がる理由

アトピーケアあれこれ
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ヒスタミンのよく知られている機能はアレルギー反応に関係するものですが、他にも神経伝達物質および免疫に対するメッセンジャー分子です。

ヒスタミンは肥満細胞に貯蔵され、これらの細胞が活性化されると放出されます。
放出された時に痒みも起こります。

ヒスタミンについての他記事はこちらをどうぞ
ヒスタミン過剰で起きる症状

ヒスタミンが形成されると、からだの中では特定の酵素によって分解される働きが起こります。

中枢神経系ではヒスタミンN-メチルトランスフェラーゼ(HNMT)によって代謝され、消化管ではジアミンオキシダーゼ(DAO)によって分解されます。

では本日は、食べた食品に含まれるヒスタミンの分解に関わる、このDAO酵素と腸内環境の関係について見ていきましょう。

 

DAOの活性が高いのは小腸

DAOの活性は、小腸、腎臓、胎盤に局在します。

ヒトでは特に小腸の絨毛上部で活性が高く、血中に放出された後は肝臓で代謝されるという流れです。

絨毛というのは無数の突起のことで、ビロードの絨毯のようになっています。

  
イメージ図

 

入ってきた食品、栄養素に対して腸絨毛があることで、表面積を大きくできるので、より多くの栄養素を吸収できるのですね。

腸絨毛はからだに必要なほぼすべての栄養(物質)を吸収します。

ビタミン、ミネラル、糖、アミノ酸、などは絨毛を通って腸のなかの血管に入って全身に巡ります。

 

小腸絨毛とSIBOとヒスタミン

SIBO(小腸細菌過剰増殖)は小腸内に細菌が過剰に増殖する症状です。

本来は大腸の方に多いはずの細菌が小腸でも多くなってしまいます。本来の形ではないので、その増殖した細菌はあまりからだ(小腸)にとっては好ましくない細菌たちです。

そしてその増殖した腸内微生物の中のある種類が、代謝の副産物として大量のヒスタミンを生成することが知られています。

そもそもSIBOになる人は、総じて腸の絨毛状態もいいとは言えないので、小腸の絨毛上部で活性が高いDAOの活性が落ちている可能性は大。そこにSIBOによる余分なヒスタミン放出があれば、ヒスタミンの分解許容量が減った状態に、追いヒスタミンされるので、ヒスタミン不耐症の症状が出ることが考えられます。

アトピーの人、体調不良の人に多いのよ、SIBO。

SIBOについての記事はこちらからどうぞ
SIBOってなあに

 

DAO酵素の活性低下の原因を見る

メチレーションとヒスタミンは切っても切れない関係。今回は詳しくは言いませんが(メチレーションを簡単に説明できないため)海外のサイトでは、高メチレーション、低メチレーションという表記ではなく、「高ヒスタミンタイプ」「低ヒスタミンタイプ」と表記していることもあります。

その中でDAO酵素の活性低下の原因として

  • NSAID、酸遮断薬、抗うつ薬、免疫抑制剤などの特定の薬
  • 消化管炎症状態:クローン病、IBS、大腸炎
  • セリアック病とグルテン不耐症の人

とあり、多くの項目でが大きく関わっているのがわかります。

 

IBS(過敏性超症候群)なんかは、最近では「IBSなのか、SIBOなのか」なんて言われており、結構「いやSIBOがあるからじゃね?」みたいなこともよく言われています。

グルテン不耐症についても、グルテンの過剰摂取でなるパターンもあるので、そもそも腸が傷つけられていますよ〜ということも考えられますね。

何が言いたいかというと、DAO活性には腸内環境大事だよ〜

ということです。

 

逆に考えると、腸内環境を整えたら、DAOもしっかり活性して、ヒスタミン不耐症がなくなることも大いにあり得るということです。

実際に、ヒスタミン不耐症は時期や状態によって、反応する時としない時があります。クライアントさんで、ヒスタミンにすぐに反応する人が、状態が良くなったらほとんど反応しないのも見てきました。

(ちなみにささもりさんも経験済み)

ので、絶望することなかれ。
いろんなもの、食べられるようになる可能性は十分ありますよ^^

 

 

次回はリーキーガットとヒスタミン(仮)です。

ヒスタミン続きます。

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