汗で肌が痒くなる理由

アトピーケアあれこれ
アトピーケアあれこれ

夏…

海が楽しい夏…
(ささもりさんは綺麗な海が大好き)

 
先日行った宮古島

そして、汗で肌が痒くなったり、汗疹ができる夏…

大手をふって喜べないのがアトピーの悔しいところ。
今回は、なんで汗で痒くなるのかの理由を見ていきましょう。

 

汗はどこからでているの?

汗が出る汗腺は2種類あります。

・エクリン線
→全身にある汗腺。暑い時、緊張した時、舌への刺激(辛いもの食べたら汗が出るよね!)で出るよ。

・アポクリン腺
→脇の下、乳首、下腹部など限定的にある汗腺。緊張した時だけ出るよ。

エクリンは体温調節をメインとし、アポクリンは元はフェロモン(もと、というより今もだけど)の働きをしていると言われています。

今回はメインのエクリン線からの汗を見ていきます。

 

肌のpH値

 

健康な肌のpH値は4.5-6.0です。
以下は体の部位別のpH値。

(見落とすなかれなのは「健康な」とついているところ)

人の肌はよくCMでも言われるように「弱酸性」が良いのです。なぜならその弱酸性具合が、皮膚の上を住処とする、私たちにとって好ましい微生物たち(表皮ブドウ球菌)にとって、住みやすいpH値だからです。

 

私たちは菌・微生物と生きている

 

腸内に微生物が存在するのはよく知られていますが、皮膚にも同じように微生物叢が存在します。
人間は細胞の75%を微生物と共にしていると言われています。

皮膚に宿る微生物たちは、居場所をもらうお礼として、悪生菌が皮膚に侵入しないようにします。

そしてその微生物たちには健全な弱酸性の皮膚状態が必須です。

人間に好ましい菌・微生物にとって心地よいPH値はpH5前後と言われています。

そして、人間にとって好ましくない黄色ブドウ球菌などの菌・微生物は中性を好むことがとても多い。

 

皮膚上の微生物とpHの関係

健康な人の汗のpHは5.7~6.5程度で、人間の肌に優しいとされる弱酸性。
けれども、汗を多くかくと、汗のPHが上昇し→中性・アルカリ性に。

皮膚表面に吹き出た汗は蒸発していくことで、pHの高い物質となりやすく、肌にとっては強い刺激(アルカリ性より)になってしまいます。

そして、大事なのは大半の微生物は、pH7~8(中性・弱アルカリ性)が生育の最適値であるということです。

逆に最適値PHから外れていることで、微生物の増殖は抑制されます。ちなみにアトピー性皮膚炎の人は、湿疹のない部位においても健常人に比して皮膚のpHが高く、黄色ブドウ球菌数が多いということが言われています。

本来は、自分達で肌のpH値を最適な値に保ってられるのですが、アトピーの肌というのは「健康な」肌とは言いにくい。実際、アトピーの人の肌は健康な人の肌よりpH値がアルカリ性に傾いている(そこまで差は大きくないものの)と言われています。

さらに、汗というのは水分が99%ですが、1%内にナトリウムやアンモニア、その他もろもの成分が含まれています。

脂溶性の毒素などは汗で出やすいと言われており(低温サウナ療法などありますね)アトピーや体調不良の人が健康な汗のpH値を保っているかというと微妙なところです。(諸説ありますが)

 

汗が刺激になって、痒みを誘発する

痒みには種類はあります。

炎症を起こして痒い場合と「引っ掻き」の刺激による誘発された痒みなどです。

引っ掻きにより肥満細胞が刺激され、かゆみを引き起こす『ヒスタミン』が過剰に分泌されるからです。汗や何かしらの炎症以外の刺激でかくと、弱っている皮膚は耐えられるず、皮膚崩れ→炎症になるのですね。

 

上記にも記した、汗に含まれる成分が特に炎症している箇所に触れたりすると、敏感な炎症箇所は、汗の刺激によって痒みを誘発。掻くことでより傷、炎症を強く起こします。

そこに副腎疲労(HPA軸の機能低下)などのコルチゾール分泌量低下があれば、治すのに時間がかかったり、相対的にコルチゾールが減るので炎症を止めにくくなります。広がることだって大いにありますよね。

 

汗で痒くなる理由

今述べた通り

・汗による常在菌の勢力分布の変化(好ましくない菌が増えがち)

・汗の刺激で、痒くなり、引っ掻きヒスタミン放出→より痒くなる

・皮膚崩れにより炎症が強くなりコルチゾールが足りず抗炎症ができないため炎症悪化

などが考えられます。
また

・熱の放射ができずに、熱がこもり患部が暑さで痒くなる

・暑さに対応すべくコルチゾールの必要量UPで皮膚の抗炎症が間に合わない
副腎疲労(HPA軸の機能低下)の悪化

などもありますね。
今回は副腎疲労(HPA軸の機能低下)については割愛。

特に梅雨〜夏にかけては黄色ブドウ球菌系のアトピー悪化が増えていることも多い印象。
黄色い汁が出ている発疹などは当てはまりやすいですよ。

すぐできる対応策

汗をかくなとは言いません。大事な毒素の排出なので。

しかし、汗が出たら、

タオルで軽くすぐに拭う。

・また家に帰ってから痒みに爆発することも多いので濡れたタオルで軽く押して拭ったりシャワーをすぐ浴びるのもおすすめ。

 

また

・体が火照っている場合は首や脇を保冷剤で冷やす

保湿しすぎず、乾燥させすぎない良い塩梅の保湿度を保つ

のもいいかと思います。
私は、いつも首と眉間の間を保冷剤で冷やしていましたよ。特に眉間は寝る前に冷やしてあげると、スッと寝やすかったりします。

 

そもそも副腎疲労(HPA軸の機能低下)が強い場合は

・暑さと冷えの差が大きすぎないようにする

・暑熱順化させる

なども大事です。
からだの熱調節機能を激しく動かさないこと。

おすすめは、窓を開けながら冷房をすることです。
環境には申し訳ないという気持ちもあるかもしれませんが、環境への配慮は元気になってからでも遅くありません。
(パーマカルチャーデザイナーのささもりさんより)

保育士をしていた頃は、ほぼ毎日外に遊びに行くので、室温と外気の差をできるだけ大きくしないように、窓を開けて冷房をして、じっとり汗をかくけど心地よいくらいの室温にしていました。子どもの夏バテも、副腎疲労(HPA軸の機能低下)がありますからね。

 

 

以上。

少し長くなりましたが、まだまだ暑い夏。
「夏になるとなんで悪化するの!?」に対して、少し心の余裕ができればいいなと思います。

 

ちなみに…

書いたのは対症療法のような考え方です。

皮膚の常在菌バランスが崩れていること、副腎疲労(HPA軸の機能低下)が大きいことなどに対しては、そもそも

・低血糖症状が出ている

・栄養の不足

・腸内環境の悪化と肝臓機能の低下


・ストレスによるコルチゾール消費が大きいこと

…がほとんどですので、根本的解決としてここに着手しながら、夏の対処をするのが吉です^^

 

 

あとは、個人的には海もおすすめですよ〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

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