健康オタクのきくち君は、勉強会などで300を超えるたくさんの血液データを見ていて、ふと思ったことがあります。それは・・・「なんか同じ症状の人って同じようなデータが出ていない?」でした。
初めは単純に、「どの項目」が「どのくらいの数値」になっているのか?の統計を自分の中で集計しまくったんですよね。
そしたら、ある程度傾向が見えてきたというワケです。
(もちろん、母数が少ないのでエビデンスにはなりません。)
どのような傾向が見られたのかをお伝えしていきますね。
炎症の種類と特徴
まず初めに、炎症には2種類あります。急性炎症と慢性炎症です。
急性炎症は、主に風邪や食中毒などの感染症。それと外傷(ケガ)です。
慢性炎症が起こりやすい部位は、「喉と腸、肝臓」です。
炎症に対して一番反応速度が速いのは白血球です。続いて血小板が上がってきます。CRPは少し遅めに上がってくるので、例えば盲腸や急性腹膜炎の時は発症当日には上がってないことが多いと思います。(むしろ3日後以降の方が高い数値が出ると思います。)
アトピー性皮膚炎の人に多く見られた特徴とは?
菊池が『炎症』に関して見ていて「変だな〜」と思ったところは
- 白血球数
- リンパ球
- 血小板
- CRP
- ALP
特にこの4つです。
白血球
WBC:7,000以上、または4,000以下のどちらかに偏っていました。
アトピー性皮膚炎の人は、皮膚のバリア機能が弱っているのと自分を守る常在菌がたぶん不足していると思われます。(常在菌が多い人は次亜塩素酸水をかけると酢酸の様な匂いがしますが、アトピー性皮膚炎の人はあまり匂いがしない傾向にありました。)
そのため、皮膚で黄色ブドウ球菌などによる慢性的な感染症が起きるのかな?
だから白血球数が7,000以上とか高く出るのかなと思っています。
逆に4,000を切っていたら白血球を作る体力が無くなってきていそうだから、体力がだいぶ落ちてきているのかな?と気にしています。
リンパ球
リンパ球の絶対数が2,000/μl以下の人が多かったです。
リンパ球は交感神経優位でも下がります。
一般的にアトピー性皮膚炎は副交感神経優位と言われているので学問上ではリンパ球の%(好中球:リンパ球)が上がると思われていましたが、今の人は交感神経が過緊張なのでアトピー性皮膚炎でもリンパ球が少ない傾向にあると思います。
リンパ球の絶対数2,000/μl以下だと免疫力がだいぶ低下しているのかな…と思います。
血小板
血小板数が26以上(25以上は炎症有りと見ます。)
血小板は炎症をダイレクトに反映するものです。
血小板が上がる機序はコレ
「炎症↑」 →「IL-6↑」 →「血小板↑」
常に喉や腸、皮膚で慢性的に炎症を起こしている。
その程度を予測するのに一番わかりやすいのが血小板数かと思います。
CRP(C反応性蛋白)
CRPが0.1以上(正常範囲は0.3以下ですが通常は0.01〜0.02だそうです。)
CRPは体内で炎症反応や組織の破壊が起きているときに血中に現れる急性期反応タンパクの一つです。
CRPはマクロファージとT細胞からのIL-6の分泌により、肝臓と脂肪細胞から分泌されます。
細菌やウイルスなどの感染症、肝炎や腸炎、リウマチなどの自己免疫疾患などでCRPは上昇します。
アトピー性皮膚炎の人は、慢性上咽頭炎や腸炎を伴うことが多いのでそれのせいでCRPが高いのかな?と想像しています。
ALP(アルカリフォスファターゼ)
ALPが50以下、または70以上。(分子栄養学の基準値は60です。)
肝臓をはじめ、腎臓、骨芽細胞、胎盤、小腸など、広く全身に分布しますが、主に肝臓と骨の炎症で上がると思っておいて良いかと思います。
ALPは、骨芽細胞にも多く存在するため、成長期のお子さんは基準値を大きく上回る300以上出ることもありますし、胎盤にも多く存在するので、妊娠中もALPは基準値の数倍程度の高値を示すことがありますが、特に問題の無いことがほとんどです。
※高値が気になる方はクリニックへ。
炎症が強い人はこんなデータが出るのでは?
WBC:8,000←これ、風邪レベルやん!?
リンパ球数:3,500←自力では2,800とかなんだけど、炎症で頑張って増やしていてもこの程度・・・。
血小板:29←どこかで炎症(傷)があると大忙し。
CRP:0.5←相当腹腔内(特に肝臓と腸)で炎症があるはず!!
ALP:75←肝臓か胆嚢で炎症が起きていそう・・・。
※あくまで、きくちの勝手なイメージです。
逆に全部の数値が低かったとしたら?
数値が低い=炎症が無い ではありません!
炎症を起こす体力も無い のかも知れません・・・。
炎症が強ければ、同然熱感もあるでしょうし、常に体力は削られるので疲れ果てているか、またはアドレナリンで変にテンションが高くなっているかも知れません。
データだけを見て、「炎症が有る/無い」ではなくあくまでご自身の体感と照らし合わせて答え合わせの様にデータは上手に活用しましょう。