副腎疲労には四段階の変化がある

栄養療法
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そもそも副腎疲労(HPA軸機能異常)とは

副腎疲労は分子栄養界隈においては共通語ですが、最近は少しずつ一般的にも認知が広がっているのでは?と思っている私です。

副腎疲労という名前ですが、最近は「HPA軸機能異常」が正式であるという流れです。なぜなら、副腎が疲労して機能がストップするのではなく、副腎に「ホルモンだせよ〜」と指令を出す脳の機能が低下しているがゆえに、副腎のホルモン分泌がなされていないからです。

副腎疲労は、脳の疲労、機能低下です。

しかしながら、HPA軸機能異常という名前があまり浸透していないので、今回は「副腎疲労」の名前でいきますね。

ちなみに副腎疲労は日本において病気と認定されていませんので、お医者様たちが知らないこともあります。

 

副腎疲労の四段階理論

副腎疲労(HPA軸機能異常)には四段階のステージがあります。

今回は各段階においての、ホルモンの変動と症状、特徴を詳しく説明します。

第一段階: スーパーサイヤ人モード(警告反応期)

特徴

ストレスに反応して一度体はびっくりするものの、対応するためにまず体が戦闘モードに入ります。この段階では、副腎にて大量のアドレナリン、ノルアドレナリン、およびコルチゾールを分泌し、体が一時的にエネルギーを増加させます。

ということで、無双モード、スーパーサイヤ人モードです。

ストレッサーが「会社でのストレス」「過度の仕事」「人間関係」「環境の変化」など多岐に渡ります。

一般的に数週間〜数ヶ月続きます。

ホルモンの変動

  • アドレナリンとノルアドレナリン: 急増し、心拍数と血圧を上昇させます。
  • コルチゾール: 急性ストレスに対処するために分泌が増加します。

症状

  • 緊張感
  • 心拍数の増加
  • 血圧の上昇
  • エネルギーレベルの高まり
  • 集中力の向上

あまり疲れを感じないようになっているのがこの段階。

疲れていないのではなく、疲れを感じないようになっている状態です。

 

第二段階: ハムスターのホイールモード(抵抗期)

特徴

ストレスが持続し、副腎が過剰に働き続ける段階です。体がストレスに適応しようとしますが、持続的なコルチゾールの分泌により、エネルギー消耗が激しくなります。

コルチゾールをはじめ、ホルモン分泌というのは身体の資源を多く使います。資源は何かというと、「栄養素」のことです。ですので、慢性的なコルチゾール分泌は栄養素を大量に消費します。

ホルモンの変動

  • コルチゾール: 高レベルで持続的に分泌され、体内の糖質代謝や免疫応答に影響を与えます。
  • DHEA: コルチゾールの長期的な分泌により、DHEAの分泌が減少します。

DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)は、副腎から分泌されるホルモンで、体内で最も豊富なステロイドホルモンの一つです。DHEAは、性ホルモンの前駆体としての役割をはじめ、ストレス応答の調節免疫機能の調整心血管系の健康維持気分や認知機能のサポートなど、多岐にわたる重要な役割を果たしています

症状

  • 慢性的な緊張感
  • 不眠
  • 軽度の疲労感
  • 食欲の変動
  • 体重の増加または減少

「おや?スーパーサイヤ人モードが解けてきて、疲れを感じるぞ?でもそんなこと関係ねえ!とにかくやらなければ!動かなければ!く、でも疲労感がある…」という感じになってきます。

ちなみに甘いもの(というか血糖値を勢いよく上げてくれるもの)、カフェイン大好き状態にすでになっていることでしょう。性欲も無くなってきます。

 

第三段階: お疲れヒーローモード(適応疲弊期)

頑張った戦場の疲労困憊ヒーローハム

特徴

副腎が疲労し始め体のエネルギー保存機能が働きますホルモンバランスが崩れ、体がストレスに対する抵抗力を失い始めます。

ホルモンの変動

  • コルチゾール: 分泌が不安定になり、必要なときに十分に分泌されないことがあります。
  • DHEA: さらなる低下が見られます。
  • アドレナリンとノルアドレナリン: 分泌が減少し、急性ストレスに対する反応が鈍くなります。

症状

  • 慢性的な疲労感
  • 集中力の低下
  • 免疫力の低下
  • 抑うつ状態
  • 身体的な痛みや不快感

この頃になると、「頑張り」が効かず、朝も起きれない。休日に寝ても寝てもしんどいし、朝ごはんは食べられない。やる気が起きず、からだを動かせなくなっていることを感じています。

 

第四段階: バッテリー切れモード(副腎不全期)

特徴

副腎の機能が極度に低下し、体のストレスに対処する能力がほとんどなくなります。ホルモンの分泌が著しく減少し、体が基本的な機能を維持するのも困難になります。

ホルモンの変動

  • コルチゾール: 分泌が著しく低下し、体がストレスに対する反応をほとんど示さなくなります。
  • DHEA: 極度に低下し、性ホルモンのバランスも崩れます。
  • アドレナリンとノルアドレナリン: 分泌がさらに低下します。

症状

  • 極度の疲労感
  • 低血圧
  • 低血糖
  • 体重減少
  • 無気力感
  • 食欲不振

起きれない、動けない、そもそも気力が湧かない、廃人のようと感じる…など。線維筋痛症や慢性疲労症候群などの状態と言われている人たちも。ホルモン自体のバランスが崩れているので、女性の場合は生理前の体調不良が異常な強度だったりします。

 

 

以上が副腎疲労の四段階です。

三段階、五段階で表すこともありますが、今回は一般的な四段階で。

 

自分の状態をよく知ることが大事です。

第一のスーパーサイヤ人モードから疲弊期に入る前に早めに気付いてアプローチすることが良いのですが、なんせ無敵モードなので自ら気付くことがほぼないのが現状です。

疲弊期へ差し掛かって「おかしいな?」と気付いた頃には、すでに治癒回復に一年以上必要な状態になっていることも。

またよくあるのが、これ。↓

 

 

副腎疲労から脱する方法は、自分の心地よさを知り、それを大事にすることを選ぶこと。

そうでなければ、例え回復しても、一段階と二段階を行ったりきたりして、「程度は違えどやっぱりずっと副腎疲労」の状態です。

 

 

必死に生きている愛すべき副腎疲労の皆様、どうぞ自分の心地よさをまず探すことから始めてみてくださいませ。という、抽象的なアドバイスで締めくくりたいと思います。

一生懸命生きているからこそ、副腎疲労になるよね。

ご参考になれば幸いです。

 

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