部位別の話
「自然寛解」という言葉に隠れた様々な罠
アトピー性皮膚炎の性質上、アトピーは放って置いても快放に向かう「自然寛解」がみられる疾患という定義です。
※ただし、自然寛解する人は、治るだけの自己免疫力と栄養素があったということです。
たまたま自然寛解に向かっているタイミングと、ニセ医学や自然療法を提供されたタイミングが重なることによって、あたかもその治療法が「正しい」と誤認されてしまうケースもあります。
「相関関係」と「因果関係」の違い
相関関係とは、「AとBとに関係がある」という意味です。
因果関係というのは、「Bの原因はAである」という意味です。
関係があることと、「原因と結果」であるということは全く異なるものなのです。
気をつけないといけないのは、相関関係をあたかも因果関係であるかのように紹介すると騙しやすいという点です。
例えば、
アトピー性皮膚炎の人は自律神経が乱れている。
頸椎がズレると自律神経が乱れる。
つまり、
①アトピー性皮膚炎の人は頸椎がズレている。
②頸椎を矯正したらアトピー性皮膚炎が治った。
など。
いろんな可能性を考えたら、因果関係が無いとは言い切れない。事実、頸椎の矯正でアトピー性皮膚炎が治った人もいるでしょう。
しかし、
「アトピー性皮膚炎の人は頸椎がズレている(ことが多い。)」と「頸椎を矯正したらアトピー性皮膚炎が治った」は違います。
相関関係と因果関係を混同した情報は、患者さんが騙されやすいものの1つです。
「その話は相関関係なのか、因果関係なのか?」という視点は常に持っておきましょう。
医学は因果関係を重視し、僕らは相関関係を考える
医学は因果関係を元に治療方針を決定します。
しかし、施術や栄養療法にはほとんどエビデンスはありません。
施術者と施術する場、そして患者さんの個体差(個人差)によって治療条件は常に変化するため、同一の良くなるアプローチなど本来は存在しないのです。
つまり、因果関係を証明することはほぼ不可能なのです。だからと言って「効かない」ということではなくて、菊池が言う(書く)ことは原則として「相関関係」の話しだと思っておいてください。
「これをやったら必ず治る!」ではなくて、
「これってこういう風に考えたら辻褄があるかな?」という推論で記事を書いていこうと思います。
どうぞお楽しみに!