脱ステロイドだけでは治らない——3つの生理学的な理由
こんにちは、笹森香納子です。
「ステロイドを塗っているから治らない。やめれば治っていくはず——」
かつての私もそう強く信じていました。脱ステロイドさえすれば改善するんだと。ただその辛さに耐えられない、それだけだと思っていたんです。
でも今になって分かること。脱ステロイドだけでは、やはり改善しにくいのです。

今日は、私自身の体験と生理学的な根拠をもとに、その3つの理由をお伝えします!
そもそも、アトピーは「皮膚の病気」ではない
まず大前提として理解してほしいことがあります。
アトピーは皮膚に症状が出ているだけで、皮膚そのものの病気ではありません。
アメリカの国立アレルギー研究所も、アトピー性皮膚炎を「皮膚バリアの異常と免疫の異常を伴う全身性炎症疾患」と明確に定義しています。さらに、アトピーとは免疫・皮膚バリア・神経系の3つが同時に乱れることで起きる全身性の炎症とも言われています。
つまり脱ステロイドは「皮膚表面への薬をやめる」という作業であり、内臓・免疫・神経系という全身の問題そのものにはアプローチできていないのです。
脱ステロイドだけでは治らない3つの理由
① アトピーは全身性の炎症疾患だから
体を良くすることの本質は、体の内側の免疫・代謝・栄養状態・自律神経の状態を整えていくことです。皮膚表面への薬をやめるだけでは、この全身の問題には何もアプローチできていません。
脱ステロイド=必ず改善、とならない理由はここにあります。
② 副腎疲労(HPA軸機能異常)の状態では、炎症を止めるホルモンが出ない
私たちの体にはコルチゾールという天然のステロイドがあります。外から塗るステロイドと同じ抗炎症の働きを、体の内側からしてくれるホルモンです。
ところが、慢性的なストレス・慢性炎症・睡眠不足・低栄養・低血糖などが続くと、コルチゾールを長期にわたって使い続けることになり、脳が疲弊してコルチゾールの分泌量が落ちてしまいます。これが副腎疲労(HPA軸機能異常)の状態です。
コルチゾールが出ていない状態でステロイドをやめると、炎症を落とすホルモンがないため、炎症がよりひどく出てきてしまいます。
体を良くするための順序は、まず体の抗炎症能力と土台となる部分をしっかり回復させること。その上で脱ステロイドに向かっていくことが大切です。
③ 皮膚バリアはステロイドでは作れない
脱ステロイドをした後も皮膚がなかなか強くならない、乾燥肌が続いている——そんな方がとても多いです。これは、皮膚がまだ作り切れていないということです。
皮膚バリアを作るためには材料が必要です。
- タンパク質・必須脂肪酸・コレステロール
- 亜鉛・ビタミンA
- 脂質・ミネラル・ビタミン全般
ステロイドは炎症を抑える薬であり、皮膚を作る薬ではありません。バリアが弱いままだと肌は外の刺激に耐えられず、炎症と痒みが続いてしまいます。皮膚を再生する材料となる栄養素を補うことが、本当の意味での回復につながります。
体は必ず、直そうとしている
脱ステロイドは治療の本体ではありません。治療の本体とは、自分の体が自分で炎症を止め、皮膚を再生する能力を持った状態にすることです。
体の土台が整えば整うほど、炎症はどんどん小さくなっていきます。なぜなら、体には自分を直す力が必ず備わっているからです。
皮膚に炎症が出ているということは、体の内側の状態を知らせてくれているサインでもあります。皮膚は外から唯一目で見える場所だから、内臓の炎症や不調を皮膚に出して私たちに教えてくれているのです。
脱ステロイドは外へのアプローチをやめる作業に過ぎません。本当に体を良くしたいなら、まず内側の土台を整えることから始めていきましょう。
まとめ
- アトピーは皮膚の病気ではなく、免疫・皮膚バリア・神経系が乱れた全身性炎症疾患
- 脱ステロイドは皮膚表面への薬をやめるだけ。全身の炎症の根本にはアプローチできていない
- 副腎疲労の状態でステロイドをやめると、コルチゾールが出ず炎症がよりひどくなる
- 皮膚バリアの再生には材料(栄養素)が必要。ステロイドは皮膚を作る薬ではない
- 治療の本体は体が自分で炎症を止め皮膚を再生できる状態を作ること
体は間違いを起こしません。内側の土台をしっかり整えていくことで、体は必ず自分を直す方向へ動いていきます。ぜひ今日から、内側へのアプローチを意識してみてくださいね~!
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